妻は(めったに熱を出すことは無いが)高熱に弱い。
高熱の辛さを知っているのか、俺を気遣い、あれこれと世話を焼いてくれ、看病してくれる。
ま、そのおかげで二日の闘病で済んだともいえるのだ。
ありがとう妻よ。
昨夜、否、もう深夜であった。
高熱にうなされていた俺はただならぬ気配に起こされた。
俺が熱を出して寝ているのだ、普段なら抜き足、差し足、忍足で気を使ってくれるはずの妻が廊下を慌ただしく歩いて、いや、走ってくる。
ドアを開け俺を起こす。
理由も言わずに台所に来いという。
異常を感じた俺は38.6度の熱も忘れて飛び起き台所に直行した。
そこで俺が目にしたものは。
台所の床を這い回っている一匹のムカデであった。
ムカデなんて久しぶりに見たね。
懐かしさに浸っている38.6度の熱のある俺に妻が早く何とかしろという。
まぁね。
苦手なものは仕方ないわな。
ハエ叩きで退治してやりましたよ。
そこまでは良しとしよう。
そっからがねぇ。
ゴミ箱にそのまま捨てようとしたら「ダメ!」と妻が叫んだ。
そっか、姿が見えてちゃいやなのか。
それじゃぁと、新聞紙に包もうとするとそれでもダメだという。
まさかと思いきや、外に捨てて来いとよ。
38.6度の熱のある夫をつかまえて。
そ、外にいけとな。
38.6度の熱を出してても夫は冷静であった。
ここで議論をしても時間の浪費だ。
一刻も早く布団に戻るためには外に出るしかない。
ということで、38.6度の熱のある夫は裏山にムカデを捨てに行ったとさ。
外気を吸ったおかげで熱も引いたような気が一瞬したぜ。
妻よ、君のおかげだ。
ありがとう。
1. 無題
お大事になさってくださいね。<br />
とりあえず、帰ってきましたのでご挨拶に伺いました。<br />
また立ち寄りまーす。<br />
お大事に!</p>